趣味で絵を描く趣味で絵を描く

画家の指導は受けましたが、全くプロフェシッショナルではない楽々アート会会員の私が、絵画初心者のために蘊蓄を語ります。趣味で絵を描く仲間のサークル楽々アート会のページでは、会員募集中~我々が描いた絵画作品のギャラリーもあります。

4. 油絵を描く(2)
[下塗りをする]

キャンバスに木炭でスケッチしたらフィキサチフで止めて下塗りに入ります。
まず、全体に実際より濃い色を置いてゆくと仕上がった絵に深みが出るといわれています。…が、僕はほぼ仕上がりに近い色を塗ってゆきます。
太い筆を使い、あまり細かい描き込みをせずキャンバスの目をつぶすように全体を塗るのが良いといわれています。…が、僕は部分的に細かく描いたりもします。
僕の場合は下塗りを終えたら全体に粗いですが遠くから見たらそれなりに出来上がった感じになります…が、習ったセオリーではないのでお勧めしません。時に改めて濃い色を置いて更に上から塗ることもありますが、大阪人?はせっかちなので早くそれらしい絵にしないと気が済まないのかもしれません。
絵の具を削って改めて描くこともできる…というのも油絵の特徴でもあります。透明水彩は重ね塗りをするにも、最後に白い部分を塗り残して紙の色にするにも計画的な計算が必要となりますし、失敗すると取り返しがつきません。

↓僕の木炭スケッチと画面を塗り切っただけの下塗り(スケッチ状態から1~2時間後)、そして最終作品になります。…あまり参考にはなりません。
(右からスケッチ-下塗り-仕上げ:スマホの場合は上から下)

下絵下塗り田代池

色を塗る時、まずパレットに11色の絵の具を全て出します。今日は緑と黄色しか使わないと思っても全て出します(それぞれの量は加減しても構いません)。順番も決めておいた方が良いでしょう。
僕は木箱入りのセットに付いていたパレットを使用していますが↓のように並べています。
パレット
右から、バーントアンバー、バーントシェンナ、イエローオーカー、ウルトラマリンディープ、コバルトブルー、ビリジャン、グリーンペール、イエローライト、バーミリオン、クリムソンレーキ、そしてパーマネントホワイト、です。
緑を塗っていてもコバルトブルーを足してみたいとか、ちょっとバーミリオンを…などと思ったときに「無い」ってことのないようにしておきます。
溶き油の量もたっぷりだと透けるほど薄く、少ないと厚く塗れます。
筆についた絵の具は“ぼろきれ”で拭き取りますが、筆は少なくとも暖色、寒色に分けて(2本)使うとよい、といわれています。どうしても前の色が混ざるし、塗り色ごとに筆を変えてもよいくらいですが、僕は大抵1本の筆しか使いません。溶き油にひたして“ぼろきれ”で搾るように拭うことである程度拭き取れます…混ざるのもまた良し(お勧めはしません)。絶対に描画の途中で筆洗い液を使用してはいけません。使い終わった筆は筆洗い液ですすぎ、最終的には(家に帰ってから)石鹸と給湯器のお湯で洗います。筆を拭く“ぼろきれ”は、着古した下着(綿シャツなど)を適当な大きさに切ったものが使いやすいといわれています。
絵の具は出来るだけチューブの口に残らないように擦切る様に出します~神経質?な人は拭き取っても良いかも知れません。しばらく放置すると蓋が固まって開かなくなることがあるためです。固まったものを無理に開けようとするとチューブが歪むことがあるので僕はペンチの様なもので口の堅い部分を挟んで開けます…ライターで炙ってる人もいましたが変形するような…

油絵は、絵の具を塗ってから次に上から塗るまでに1週間かそれ以上の間をおいて、塗った絵の具を乾かします。1日=2時間くらい描いたとしても、中塗りから仕上げまで5~6回上塗りをしようとすると結構な日数を要します。…ということで何作も同時進行で描いているメンバーもいます。
絵の具を塗って別な色をその上に塗ってみると塗ろうとした色が思い通りに塗れないと思います。溶き油を少なめにして多少混じるのを覚悟で強引に塗るってことも可能かもですが、そういう絵を描こうとするのでなければ通常は乾かしてから上塗りします。溶き油の種類によっては乾燥時間が異なりますが、例えば下書き用に溶き油を揮発性油に変えたり、溶き油に何かを加えるってことは僕はしません。(参考サイト:色材の解剖学④ 画用液の基本
絵の具を塗ったキャンバスを鞄に入れるとき、キャンバスクリップで何も描いていないキャンバスと一緒に布側を内に向けて挟んでおけば、描いた部分を保護することができます。


■ 記事一覧

絵画の一歩絵画初心者のために蘊蓄を語るページ
1. 絵を描く
2. 油絵を描く準備
3. 油絵を描く(1)[下絵を描く]
4. 油絵を描く(2)[下塗りをする]
5. 油絵を描く(3)[中塗りをする]