趣味でピアノが弾ける趣味でピアノが弾ける

音楽家の指導を受けたこともない、全くプロフェシッショナルではない楽々アート会(趣味で絵を描くサークル)会員の私が、楽器初心者のために蘊蓄を語ります。趣味で絵を描く仲間のサークル楽々アート会のページでは、会員募集中~我々が描いた絵画作品のギャラリーもあります。

2.ピアノを弾く

[ピアノを入手する]

…ってのは、結構ハードル高いですよね。一般にピアノ教室に子供を通わせていて住居にも置ける場所がある親が購入するというケースが多いと思われます。

[ピアノを弾く]

最低できるようにならないといけないことは、1.鍵盤を指で押さえる ことです。チューニング(“調律”という)は通常は専門家以外しません。

1.鍵盤を指で押さえる

電子ピアノでも指の圧力で強弱を表現できるものがあるようですが、ピアノは鍵盤の押し込み方(ピアノは鍵盤を押すとハンマーが弦をたたく)で音が変わります。意外と普通に音を揃えるのは難しいです。つまりがドレミと弾く場合にド、レ、ミの音それぞれが同じ音量・音質でコントロールできること。比較的小さい音量で揃えて流れるように弾ければ文句なし。
人差し指一本でド・レ・ミ・ファ…と鍵盤を押しても良いのですが、速く滑らかに弾きたい場合には難しいので5本の指全てを使って弾くのが一番楽です。
一般に(歴史的経験則?)ドレミファ…って音階(ドからオクターヴ上のドまで)は、ドの音から親・人差・中・親(に戻る)・人差・中・薬・子指、の順で弾きます。…この論で言えば2オクターヴ上まで弾こうとすると親指に戻るのを繰り返すのか?ってことになりますが…
既存曲の楽譜なら弾きやすい(または弾いてほしい)指番号が記載されていますので通常はそれで弾きます…近接している音を弾くならそれで問題なし。
ラ・カンパネラ(パガニーニによる大練習曲 第3番 /フランツ・リスト)のように遥か離れた音を交互に弾きたい場合は…例えば親指と小指で出来るだけ空間移動の時間を無くして距離感覚で正確に押さえるような技が要求されますね~アリス=紗良・オット(1988-)の演奏↓です。ジョルジュ・シフラ(1921-1994)の演奏で親しんだ曲ですが、フジコ・ヘミング(Georgii- Hemming Ingrid Fuzjko,1932-)の“ぶっ壊れた鐘”も実は好きです。彼女やセロニアス・モンク(1917-1982)について世間では技術がないと思う人がいるという事実が僕には信じられないです。

[Youtube動画] アリス沙良オット / ラ・カンパネラ(フランツ・リスト)

この曲集(パガニーニによる大練習曲)はリスト本人による改訂版で、初版はあのホロヴィッツ(Vladimir Samoilovich Horowitz /1903–1989)すら演奏不可能と判断した代物です。しかし如何にすっきりと整理されて弾き易くなっているとはいえ改訂版も難易度の高い曲集であることは違いありません。↓が初版のカンパネラです。僕は改訂版の方が名曲だと思うのですが…難しいバージョンがより名曲って考え方はないと思いますね…大井和郎(1959-)のCDは発売当時に購入しましたけども。

[Youtube動画] ニコライ・ペトロフ / パガニーニ大練習曲集3~5(フランツ・リスト)

↑は、あまり有名ではない…と思うニコライ・ペトロフ(1943-2011年)の演奏~完璧ですね。まぁ作曲者やらは弾けた筈ですから同じ人間である以上、そんな身体能力?のあるピアニストも幾人かは出てくるのでしょう。Youtubeで全曲演奏していますが、この映像では初版の第3番「ラ・カンパネラ」の後に第4番(改訂版はアルペジオだが…)~第5番「狩り」を演奏しています。

カンパネラを弾こうとすると先に述べたように遥か離れた音を交互に弾く、というアレンジが為されていることに気づきます。メロディーの上で高音を連打するためなのですが、2001年に僕がこの手法をアレンジに取り入れて作った曲があります。これはラジオ体操第一の前奏を元に考えた曲です。(音はピアノですが打ち込みです 2001-No.117[MuseScore GMサウンドフォント])


椅子の高さを合わせるやら肩の力を抜くことやら指を丸めるなど初心者が上達するための様々なアドバイスがありますが、キース・ジャレット(ピアニスト/1945-)は中腰で弾いてますからね…まぁ弾きやすさってよりは別のものを表現しているのでしょう。不要な力の入らない楽な姿勢で弾く方が弾きやすい→弾けるってことはいえるのではないでしょうか。このページにも“弾ける人”の動画を貼っ付けてますので、参考にしてください。…通常はアップライトピアノよりグランドピアノの方が鍵盤が軽くて音をコントロールしやすいと思います。

モンゴル音楽にホーミーって1人で2音を発声するって技法がありますが、通常ボーカルは旋律だけ歌います。ピアノは鍵盤を押したら音が鳴る訳ですから指だけでも複数の音を出すことができます。既存曲はそういう楽器の機能性を考えて作られていますので、相当複雑な音楽表現ができます。
より難易度の高い曲を弾こうとすると指の独立は必須技能となります。…まぁそういう(薬・小指が活躍する)曲をマスターしようと頑張ってたら自然と獲得する技能かも知れませんが。
…そんな曲の中でも最もクレイジー?な曲が練習曲Op.10-2(フレデリック・ショパン)です。右手の中・薬・子で半音階を弾き続けるって……でもそれが運指技術に感心するためのものでなく、ピアノ曲として歴史的遺産ともいえる彼の作品となっており、さすがはショパン…って名曲です。

[Youtube動画] スヴャトスラフ・リヒテル / 練習曲Op.10-2(フレデリック・ショパン)

…この曲集(Op.10、Op.25)については吉田秀和(評論家/1913-2012)が、マウリツィオ・ポリーニ(ピアニスト/1942-)とウラディーミル・アシュケナージ(ピアニスト/1937-)の演奏が双璧であるとしていますが、↑リヒテル(スヴャトスラフ・リヒテル/ピアニスト/1915-1997)の演奏もさすが巨匠って感じですね。

名曲揃いなショパンの練習曲ですがOp.25-No.9は「蝶々」という曲名で知られています。名曲はパクりたくなる…ってか自分なりに表現してみたくなる…この曲を元に2001年に僕が作った曲↓です。(音はピアノですが打ち込みです 2001-No.65[MuseScore GMサウンドフォント])元曲はYoutubeでご確認を。


…コンセプトとしては“深い森の奥に清冽な水を湛えた池がある。水面から頭を出した木々の枝に一匹の蝶が佇んでいる。やがて朝霧の向こうから光が溢れて何処からか現れた蝶たちが舞い踊るが、やがて静けさの中でやはり孤独な存在となる…それは哀しみを湛える鏡に映った自分の姿である”
…なんで2001年に作った曲ばかりなのか?~それはFrameMakerやInDesign(自動化もしましたね…)やらで大手電機メーカーのマニュアルなどを作成する仕事をしていたのですが、当時、新モデルが出なくてFlashアニメーションなどを作ることになり、かつて音大の先生に褒められたことがある…と言ってDTM初心者ながらBGを制作したのですが認めて貰えず、なんぞ既存音源をループの如く繋いだ曲になっちまいました。そのボツ曲?をアップしとる訳です…まぁFlashのコーディングは評価されましたが。所詮、何に価値を認めるかは人それぞれで、価値を感じない人間にとっては価値がないってことです…まぁ僕の作る曲が好きだって同僚の女性はいましたが。

さて指の独立ですが、机にボールをつかむような形で5本の指を立てます。親・人差・中指の先を机に付けたままで薬指と小指を交互に動かせるでしょうか?…薬指と小指で2拍3連(薬→小節2分割、子→小節3分割)を打てるくらいなら超優秀です。が、出来なくても大概の曲は弾けないわけではありません。
幻想即興曲(フレデリック・ショパン)を弾こうとすると、この2拍3連(3連4拍?)が冒頭から要求されます。勿論小節を正しく3分割する感覚が必要なのですが、独特のリズム(ズンチャズッチャズチャ…ズン・ズが3連の音)が助けになると思います。小節を分割する感覚が掴めると5連、7連や変拍子が好きになるかもです。

2拍3連

右手で旋律を弾きながら別の旋律を左手で弾く…とかできた方が弾けるレパートリーが増えます。僕はバッハのインベンション第1番が好きです(グレン・グールド(ピアニスト/1932-1982)の演奏が良いですね)。

[Youtube動画] グレン・グールド / インベンション第1番(ヨハン・セバスチャン・バッハ)

Youtubeを探ってたら、この曲は小学生の演奏からピアニストまで山ほど投稿されています。難易度は低いのでしょうが誰もグールドにはなれませんね…何を表現したいのだろう?…CDで言えば高橋悠治(ピアニスト/1938-)の演奏は一聴の価値あり。普通?にも弾いて欲しいところですが。

これもこの曲1曲だけは弾きたい、って頑張ったら大抵の難曲でもそれなりに弾けると思います。普通はスコアを見て弾くのですが、暗譜(1曲全て覚えてしまう)という技があり、これだと[譜面を見て弾く→ただ弾く]になります。弾き語りしようとすると楽器の方は何も考えなくても弾けないと難しいように譜面をなくせば1つ気を遣うことが減ります。何度もやってるうちに体が覚えるようになれば何も考えずに弾ける…かも知れません。

ピアノの音は減衰音です。つまりが鍵盤を押す時に出した音が徐々に消えてゆく訳ですがサスティーンさせるペダルやらが付いています。上手く使えず踏みっぱなしにするくらいなら使わない方が無難かも知れません。楽譜にペダル記号がある場合はペダル記号のある音符に対応する鍵盤を押して踏み、(開放記号のある音符の鍵盤を)押して離すそうです。


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1.絵を描く
音楽の一歩楽器初心者のために蘊蓄を語るページ
1.ギターを弾く(1)
2.ピアノを弾く
3.ブルースハープを吹く
4.ベースを弾く
5.ドラムスを叩く
6.曲を作る
7.ギターを弾く(2)
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1.プログラミングとは